涙色のlove story
「え、ちょっと待ってください!
俺は―…」
「結仁の為だけじゃないんだ。
君の為でもあるんだ。
別れるなんて辛いかもしれない。
でも君は働いている。
働きながら病気の結仁の世話を看れるのか?
働きながら、結仁の面倒を看ながら、
自分の事もしていたら、
君の自由の時間もなくなるし、
睡眠時間だって
削ることになってしまうんだぞ?
そっちの方が辛いと思わないか…?
結婚とかも考えていたかもしれないが、
…頼む。
別れてほしい。」
まさかお父さんからこんな事を
言われると思っていなかった。
「結仁はこれから症状も悪化していくの。
そんな状況で耀介君が面倒を見てたら、
ストレスが膨らむだけよ…?
結仁の命はそう長くないの。
結婚してもほとんど意味がないと思わない…?」
お母さんもそう言った。
でも、俺の気持ちは1㎜も変わらなかった。
「俺は結仁が好きです。
今までも、今も、これからも。
病気になった結仁を一人で見ていく自信はありません。
でも、自分の睡眠時間を削っても、
自分を殺してでも、
結仁の傍にいるつもりはあります。
結婚もちゃんとするつもりです。
もう少しお金を貯めて
2人で暮らせる状態になったら
プロポーズもします。
“面倒を見る辛さ”と、
“別れる辛さ”だったら、
“別れる辛さ”の方が
耐えられないくらい辛いです。」