涙色のlove story
耀介もう入っていいよ。と声をかけると、
耀介は当たり前のように病室に入ってきた。
それとほぼ同時に若い看護師さんも入ってきた。
あたしが金髪だから
ビビってたのか知らないけど、
声を少し震わせて言った。
「藤本さん…。
今から院長室に向かってくださいますか?」
「あ、わかりました―。
一人でですか??」
「先生は何もおっしゃっていなかったので、
一人でもいいと思います。」
「は―い、わかりました―★」
看護師は逃げるように病室を後にした。
「じゃ、耀介いってくるわ~!!
すぐ終わらせるし、あの後どっか出かけよ?★」
「了解っ!早く戻って来いよ。」
「わかってる―っ!!」
あたしは笑顔で病室を出た。
この時あたしは後で泣き崩れて、
笑顔で耀介のところへ戻れないなんて、
考えてもいなかった。