涙色のlove story
ガラガラー…。
「失礼しま―す。」
中へ入ると昨日と違う人がいた。
昨日のおっさんより若い人だった。
「あ、藤本さん。どうぞどうぞ~座って~。」
なんだコイツ。
30代後半ぐらいのいい大人(医者)が
ヘラヘラしてやがる。
なんか、ちょっとイラッとする。
あたしは椅子に座ってこう言った。
「ね、先生~早く終わらせて!!
今から出かけるんだから!」
「出かけるって今日病院に来てる彼と?」
医者はニコっと笑いながら聞いてきた。
「そそ、あいつ彼氏なんだ!」
「彼氏か~…いいねぇ。
藤本さん、真面目な話に入っていいかな?」
「え、別にいいよ?」
どうせ入院代とかのお金の話だと思っていた。
ゆっくりと医者の口が開いた。