涙色のlove story
【耀介side】
なんで、あんなに結仁が泣いてんだよ。
俺はそう思って医者に話を聞きに言った。
ガラガラ―…。
「失礼します。」
くるっと椅子を回転させ、
医者は俺のほうを向いた。
「おや、君は藤本さんの―…」
「彼氏です。」
俺はキッパリ答えた。
「なんであんなに結仁は泣いてるんすか。
…一体結仁に何があったんですか。」
「他人の病状を話してはいけないけれど、
君は信用のできる彼氏だと見込んで話をしよう。
…彼女は病気にかかっているんだ。」
俺は言葉を失った。
あんな元気な結仁がだ。
病気な気配すらないのに。
「…なんて病気なんすか…?」
「…若年性アルツハイマー症だ。」
「若年性…アルツ、ハイマー症…?」
俺はピンと来なかった。
名前すら聞いたこと無かった。