死ぬほど恋いしたい!
手紙
「今日はみんなに手紙を書いてもらいたいと思う」

わざとらしく一学期から空いている席を見つめながら言ったのは担任だった

「寄せ書きとかでよくね?」

「お見舞いっぽくていいな」

「なんで手紙?」

と少しクラスが騒ついた

そりゃ入院してるクラスメイトに手紙を書くなんて変な話だなどと大樹は考えていた

「先生もよせがきもらったことがあってな

でももらっても面白みがないってか

何回か読んで飾ったら

もう終わりになるわけよ

だから手紙ってわけ」

「意味がわかりません」

「つまりだな

手紙は返事かけるだろ

だからその分一人一人に向き合えるし

いい時間つぶしになると思うんだ」

そんな説明をしながら担任は便箋を配りだした

「また提出物じゃないし

何行以上書けとかも言わないし

あとは自習にするから」

担任は配り終わると残暑のせいで窓を開けても一向に涼しくならない教室をあとにした

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