気持ちと想い

一章

「市橋」


壱橋と呼ばれた女性。


名を壱橋翡翠(イチバシヒスイ)という。


話しかけてきた相手は佐伯慶(サエキケイ)。


佐伯フィランデの社長である。


佐伯フィランデは何でも屋。


依頼は何でも受ける。


それが殺しだとしても。


「なんですか?」


壱橋は無表情で聞いた。


一切笑わない。


無表情で有名なのだ。


理由は誰も知らない。


壱橋も自分のことを話したがらないのだ。


「悪い、仕事が入った。」


壱橋…翡翠は佐伯フィランデの中で一番佐伯に信用されている。


仕事をさせれば一番の成績。


嫌だ何だと泣き言も言わない。


だが、それが逆にたまに怖くなる。


裏切ることも簡単に出来るだろうから。


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