素直になれば
先輩の教室を覗くと、先輩は、みんながワイワイ集まっている中心にいた。
大声で呼ぶのは恥ずかしくて、気付いてくれるのを願った。
すると一瞬、先輩と目があった気がして、そのあと先輩がこっちに来てくれた。
「こ、こんにちは!」
「うす。どしたの?」
逆井先輩は、いつもの表情だった。
なんらかわらない、優しい笑顔。
「あ、今日ってどうすればいいのかなって思って。」
「あ〜、それまだ俺もわかんねぇんだわ。里愛ちゃんも一緒に聞きにいくか。そんで1年に伝えてくれる?」
「わかりました!」
あたしは逆井先輩と職員室に向かった。