素直になれば
あたしと茉奈と秀は、名字が『片瀬』『及川』『櫻井』だから、出席番号が続いてる。
茉奈、あたし、秀の順番なんだ。
「里愛。」
うしろから、秀の声が聞こえ、振り向いた。
「依緒のことだけど……気にすんなよ。」
「うん。大丈夫だよ。」
それだけ言うと、また前を向いた。
こうやって、秀は優しい。
だから依緒ちゃんも心配なのかな。
でも、あたしは…。
今もまた、思い浮かんだのは、逆井先輩の顔だった。