素直になれば
「バド部の沙那(サナ)さんって人だってさ。俺も見たことねぇけど。」
「そ…そうなんだ。」
心臓が、煩く鳴った。
先輩、彼女いるんだ…。
あたしには、もうチャンスはない。
って…。
そんなこと思うなんて、あたし、先輩のこと好きだったんだ。
今さら、気付いた気持ち。
もう、遅いか…。
「あたしも…彼氏、ほしいな…。」
「まぁ、できるだろ!」
秀は励ましてくれたけど、あたしの頭から、逆井先輩と沙那さんが離れなかった。