素直になれば
逆井先輩は、2年生ながらメンバーに選ばれている。
本当に上手くて、本当にカッコいい。
秀もすごく上手いんだけど、他の先輩たちが上手いから、1年生だしまだ試合には出れない。
着々と進んで行った試合。
リードが広がってきたところで、監督は一旦、逆井先輩をベンチに戻した。
「里愛ちゃん。」
「…はいっ!」
汗をタオルで拭きながら、あたしの座っているイスの真後ろに逆井先輩が立っていた。
「テーピングさ、また巻き直してもらえね?」
「あ、はい。」
書き途中のスコアは、「書いといてやる」と言ってくれた秀に任せて、逆井先輩に着いてベンチの一番端まで行った。