AKIRA
そう思っていると、啓介はぐいっと俺の肩に手をまわした。
「俺はアキに会いに来てんの!」
「え?! マジかよ!」
ちょ、馬鹿、何言ってんだ、こいつ! 佐々木一同が驚くのも無理はない。当の俺が一番驚いてんだからな!
「マジだよ、なぁ、アキ?」
「し、知らね、ない、わよ!」
「知っとけよ! 俺はアキ以外は見えませ~ん」
あ、京子、泣きそうだ、マジやばいって。啓介の奴、ふざけるのもいい加減にしろよ!!
「ねぇ、だからアキも他の男見ないで」
そう言って啓介は、周りの目も気にせずに俺の頬に軽くキスした。
そう、軽くだ、軽く……って、え?
キスしただぁ――――――――っ?!
「ばっ、ちょ、てめっ!」
一瞬の事で呆気にとられた俺は、放心してたけど、すぐさま啓介の顔をぐいぐいと引き離した。でも、啓介は、俺の肩にまわした腕を解こうとはしない。
「てめ、マジで!」
だけど。
「馬鹿じゃねぇの?」
だけど、慌てる俺の耳に飛んできた言葉は、すごく冷たかった。