AKIRA
陽side
~ 今日から高校生・陽side ~
――なぁアキラ……俺とお前は、どっか心の奥で繋がってるって信じてた……。
合格発表の日、俺は一人浮かれてた。
同じ合格者の中に、お前の名前を見つけたから、高校生活が楽しみで仕方なかった。
でも。
「陽! 一緒に学校行こっ!」
家が隣で幼馴染のこいつ、木下亜美が初日早々押しかけて来た。マジでうぜぇ。
「何でお前来んだよ。一人で行けよ」
「だって同じ高校だし、いいじゃん」
なんで同じ高校受けんだよ、信じらんねぇ。
俺は、中学三年の秋に、藤木を受けるって決めたんだ。
アキラが藤木に来るってわかってたから、だから俺は、お前と一緒に居たくて……なのに、木下も来やがった。
それまでは前島行くってうるさかったのに、俺が変えたの知ったとたん覆しやがって。
でも、アキラと同じクラスになれるとは限らねぇんだよな……七クラスもあるし、でも、俺には自信があった。
俺たちは、また出会える、そんな奇跡を夢見てたんだよ。
もしも、もしもだ、万が一、同じクラスになれなくても、絶対にあいつはテニス部に来る。それは確信だった。