AKIRA


 いや、嬉しいけど、うん、素直に嬉しいんだけど……なんで。

「納得いきません!」

 そ、そりゃそうだろうな。

「そう言われても、ねぇ」

 亜美は俯き、両拳を握り震えている。

「私だってちゃんと練習してきました。加藤、さんに負けてるなんて思いたくない」

「うん、練習はしっかりしてたわね、認めるわ、でも今までの成績や実……」

「だったら!」

 亜美は思い切り顔をあげると、俺を指さして叫んだ。

「だったら、この人と勝負させてくださいっ!」

「え?」

 何言ってんだ、こいつ……俺と亜美が勝負?

「私とこの人が勝負して、勝った方を陽のパートナーにしてください! でなきゃ嫌です!」

「でも」

 とことん亜美の本気が伝わってくる。苦しくらいに、お前も陽が好きなんだって知らしめられる。

「いいですよ、あたし、なら」

 思わず、そう言ってた。



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