AKIRA
そんな思いを募らせて、俺は、晶が消えた校舎裏へ向かった。
でも、そこへ行ってどうする? もしも、本当に晶が服部を好きだとしたら、俺は邪魔以外の何者でもない。なのに、この嫉妬が止められない。
どうしても、お前を、誰かのモノにしたくないんだ。
逸る気持ちが、俺の足を小走りにする。
どこ行った? 晶――……。
校舎裏に来て、晶の姿を探す。
ふと、女子の後ろ姿が視界に映る。隅っこの木の陰だ。
あき……いや、違う……あれは、晶じゃない……。
「長田?」
そう呟いて、足を止めた。少しホッとする俺がいる。
なんだ、陽と服部だけじゃなかったのか。なんだ……そうか……。
あの時、俺には二人の姿しか見えなかった。二人を追って長田がついて行ったなど、視界に入る余裕もなかった。
でも、いったい何を……俺はまた、三人のいる方へと歩き出した。
長田の前に、陽と服部がいる。
なんの話だ?
そう思った時だ。
安堵したはずの心が、またざわめきを増すのがわかった。
服部が、小さくため息を落としたかと思うと、指先で晶の額にデコピンをかました。
「な……」
触るなっ!!
こんな事で嫉妬する俺って、なんか小さいかもしれないけど、それでも、するもんはするんだ。そのまま、俺は長田の後ろに立ちつくす。
「おい」
俺の声はかなり不機嫌だったろう。