AKIRA
晶が服部を交わす度にわからなくなる。お前は一体誰が好きなんだ……それとも誰も好きじゃないのか。
「ねぇねぇ陽~お昼買いに購買まで付いてきてぇ~」
うぜ。
「うるせぇな、そんなもん一人で行けよ」
俺はそのままの体勢で、木下に言った。でも、木下は動じずに無理やり俺の腕を持ち上げ、起こした。
「ヤダ、陽に選んで欲しいの!」
「お前、自分の食いもんくらい自分で選べよ」
「だってぇ」
だって、じゃねえよ。
ほら、晶が見てるじゃねぇか。俺は、晶にだけは勘違いされたくねぇってのに!
「絶対に、やだ」
「もう、陽のケチ!」
「ケチ上等」
そう言いながら、俺はまた机に縋るように突っ伏し、寝たふりを決め込む。
「陽~……陽ってば~ねぇ起きてよ~」
晶――……俺も服部みたいにはっきりと、好きだって言えたらいいのにな。
~ 部活始動:陽side FIN ~