明日もきっと晴れるだろう
たまり場には、もう既にタバコを吹かす男が一人いた。

「よっ!クロ」
「…フー」
クロはタバコを口から離し、煙で挨拶をした。

クロと呼ばれるヘビースモーカーで片目を前髪で隠したこの男は、鈴同様私達の仲間である。が、無口で何かと謎が多くイマイチよくわからない男である。

クロというあだ名もてきとーに鈴が第一印象で決めたあだ名である。真っ黒の髪,真っ黒のスーツを毎日着ているので"クロ"に決まっただけである。
タバコを常に吸ってるので"けむりん"というあだ名もあったりする。


「白鷹ー、なんか今日はいい情報ある?」
「んー、どういう類がいい?学校内の恋愛も数件新着ありますが」
「仕事関係で」
「んー、黒鷹ーなんかいいのある?」

ここに着いてからずっと漫画を読んでいた黒鷹が、漫画から目を離さずに答えた。

「政治家の田山宗夫」
「あぁ、建築会社から裏金を受け取ってた奴?そいつなら証拠もあるし、こいつにする?」
「どんな証拠?」
「写真」
「じゃあ今日は田山の家へ乗り込むか…。クロもそれでいい?」

クロはコクリと頷いて、タバコを灰皿で潰し、新しいのを出した。

「じゃあ黒鷹、詳しい情報を鈴とクロに説明してあげて。私はその間に計画立てるから」
黒鷹は漫画を置いて、近くの棚にある封筒を持ってホワイトボードに向かって歩いて行った。

「田山宗夫63歳、妻と息子がいて息子は結婚し4歳になる孫がいる模様。幸い今日は息子夫婦は不在。子供は友人宅にお泊り中だ。万一の事がない限り帰って来ることもないだろうから、田山夫妻だけ注意すればいい。
田山は建築会社から多額の裏金を受け取りなんやかんやしたらしい」
「なんやかんやってアバウトな…」
「鈴とクロは気にしなくていいとこだと思って。メール送るのは白鷹やし」
「…そーですね」
「白鷹ー計画書できた?」
「………………よしできた!!」
「では白鷹にバトンタッチ」

ハイタッチをして 今度は白鷹が前に出た。
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