誠-巡る時、幕末の鐘-
「奏って響には甘いよな〜」
「確かに!!」
「俺達とは全然扱い違うしな!!」
(当たり前だろうが。
お前達を可愛がる方が気色悪いだろうに。
俺にはそんな趣味ないね)
「……三馬鹿」
ぼそっと言ったが、隣にいた響には聞こえていたらしい。
遠慮がちに笑っている。
「響、付き合ってられん。行くぞ」
「はい!! ではみなさん、行って来ますね!!」
『行ってらっしゃい!!』
馬鹿…ゴホン、仲良し三人組は声をそろえて言った。
藤堂は元気に手まで振ってきた。
それに軽く手を振り返し、屯所の門をくぐった。