誠-巡る時、幕末の鐘-



―――土方の部屋




「では、改めてまして。私はリュミエール・ド・ローゼンクロイツ。こっちは私の守役(もりやく)のエリオル」




少女……ミエは自己紹介を始めた。




「私は星鈴の主です。もちろん人間ではありません」


「君が奏ちゃんの名付け親なんだ?」




沖田が納得したように尋ねた。




「はい。……今回の人選は失敗でした。星鈴は連れ帰ります」




ミエの突然の発言に、みんなは驚きと怒りが入り混じった感情を(あらわ)にした。




「ちょっと待て! どうしてあいつが帰らなきゃいけないんだ!」


「そうだ! 仕事だって終わってないんだろ!?」


「それならば心配無用。今日中に片をつける」




エリオルは藤堂を一瞥(いちべつ)し、そう言い放った。



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