誠-巡る時、幕末の鐘-

そして次の瞬間、ミエはそれまで浮かべていた僅かな笑みですら消し去った。




｢俺達にとっても仲間だ!!｣


｢仲間…ね。たった数日一緒にいただけで…奏の何が分かったと？｣




代わりに冷たい視線を浴びせかけた。




｢…っ!!　そんなものこれから知っていけばいい｣


｢そうだよ。仲間になるのに全てを知る必要はないよね？　それに、君が僕達に奏ちゃんを任せたんでしょ？｣




沖田が至極最もなことを言った。




｢あれ？　私言いませんでしたっけ？　…この件が終わるまでは…と｣




この言葉にみんな口をつぐまざるをえなかった。




｢奏はあなた達とは違うんですよ。…これ以上は手をひいてください｣


｢何だよ、それ｣




藤堂が頭をかきむしりながら、しゃがみこんでしまった。