誠-巡る時、幕末の鐘-
「そう……だったのか」
「私達も刀を向けたりして悪かった」
土方、近藤が口々に言った。
「あぁ。その時言った言葉は本心だからな」
エリオルが和やかな雰囲気になりつつあった場を一気に戻した。
「エリオル! ごめんなさい。まだ本気で怒ってる訳じゃないから許してあげて?」
「あ、あぁ」
「フン」
ミエがエリオルの代わりに謝った。
何だかよく分からない謝り方ではあるが。
エリオルにとっては、みんながミエに刀を向けたことが相当頭にきたらしい。
全く謝るつもりはない。
「奏、もう大丈夫?」
「……はい」
奏は自分を心配している主に笑顔を見せた。