誠-巡る時、幕末の鐘-



「私達もそろそろ帰ろうか」


「あぁ。奏はどうするんだ?」




エリオルが奏の方をちらりと一瞥し、ミエの方を向いた。




「当然…元老院の…何よりローゼンクロイツ・天宮の一員なんだから一度やり始めたことは最後までやれるわね?」




ニコッ




「はいっ!!!」




奏はミエが笑ったのを見て、すごく安心した。




「…音無、響さん?」


「は、はい!!」




響は今、自分の名が呼ばれるとは思わなかったので、少し狼狽(ウロタ)えてしまった。




「奏のことよろしくね」


「はい!!」




(あ〜、いいね、この光景)




奏は大好きな主と守りたくなる少女の手に手を取り合ってる姿を見て、オヤジのような考えに耽(フケ)っていた。



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