誠-巡る時、幕末の鐘-



「どうぞ〜」




よい子は勝手に人の部屋に他の人を入れてはいけません。




「おや? 二人だけか。トシはどこに行ったか知らんか?」


「土方さんなら沖田さんのところへ行きましたよ? 走って。仲が良いのは素晴らしいことです」




何故土方が走って沖田の所へ行ったか大体の理由を知っている響は苦笑している。




「そうか、そうか。それは良かった。ではトシを待っている間にこれを食べよう」




近藤は懐(フトコロ)から小さな包みを取り出した。




(……ん?

この包み…見たことがある気ありありなんだけど〜!!)




「それ…金平糖ですか?」


「あぁ。トシの所にあったんだが“こんなもの知らない”と言っていたから、私が君達と一緒に食べようと思って貰(モラ)ったんだ」




(こんなもの知らないーっ!!?

ヤバいぞ〜、ヤバい)




「そうなんですか? じゃあいただきます。…おいし〜!!」




(響ーっ!! なに食べちゃってんのーっ!!?)



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