誠-巡る時、幕末の鐘-

別れた後すぐに再会ってどういうこと




―――土方の部屋




ピシャッ!!!




「土方さん、お話が…」




ピシャッ!!!




いつものごとく返事も聞かずに障子を開けた奏は目を疑い、そのまま閉めた。




「おい。何故閉める。さっさと入ってこい」




土方に入れと言われ、しぶしぶ奏は部屋の障子に再び手をかけた。




「…何故ここに二人が?」




そこには別れを告げたはずの爺と響がいたのだ。




「話は大方こいつから聞いた」


「……」


「本当にお世話になっております。これよろしければ皆さんでどうぞ」


「おお!! これ江戸で一番の甘味処の菓子折りだぜ!!?」




(平助その辺にしておけ。

土方さんに青筋浮かんできたぞ…)



< 144 / 972 >

この作品をシェア

pagetop