誠-巡る時、幕末の鐘-
別れた後すぐに再会ってどういうこと
―――土方の部屋
ピシャッ!!!
「土方さん、お話が…」
ピシャッ!!!
いつものごとく返事も聞かずに障子を開けた奏は目を疑い、そのまま閉めた。
「おい。何故閉める。さっさと入ってこい」
土方に入れと言われ、しぶしぶ奏は部屋の障子に再び手をかけた。
「…何故ここに二人が?」
そこには別れを告げたはずの爺と響がいたのだ。
「話は大方こいつから聞いた」
「……」
「本当にお世話になっております。これよろしければ皆さんでどうぞ」
「おお!! これ江戸で一番の甘味処の菓子折りだぜ!!?」
(平助その辺にしておけ。
土方さんに青筋浮かんできたぞ…)