誠-巡る時、幕末の鐘-
「何故、爺がミエ様の二つ名を知ってるんです!!?」
「ん? あぁ、彼とは知り合いなんだ」
(はいーっ!!?)
先程から奏の心の叫びは止まらない。
癖になりそうだ。
「いつから…」
「えっと…あなたがうちに来た時からの付き合いで。私が彼に初めて会ったのは、兄様達に連れられてたから小さい頃のことかな?」
(つまり…爺、お前)
「今まで黙ってたのかーっ!!」
爺の胸ぐらに掴みかかろうとした奏をミエが宥めた。
「はいはい。とにかく奏はここで仕事があります」
「しかし月影殿!! 奏様は風戸に狙われているんですよ!!?」
『……』
みんな一斉に押し黙った。