誠-巡る時、幕末の鐘-



「鷹ーっ!!」




次の瞬間、一人の男が現れた。


ミエの式神、鷹だ。




「はいよっと…ってぎゃあぁぁぁぁっ!!!」




現れると同時にエリオルに刀を向けられるという扱いの悪さだ。




(鷹…こんな時に。…うん、ごめん。

我が身が可愛い)




「お嬢!! 何でコイツがお怒りの時に俺を呼ぶんだ!! 生け贄(ニエ)か!? 人柱か!?」




鷹が恐怖に顔を歪ませながら叫んだ。




「どっちも似たようなものだから、どっちか自分が好きな方選んで!!」


「そんな無責任な!!! …ってわぁぁぁぁっ!! か、刀、刀!! 体に当たる!! 当たってる!!」




鷹が涙を見せ始めた。




「な、なぁ? あいつ雰囲気変わってねぇか?」




土方が自分に被害が及ばないように避難しに来た奏に尋ねた。


視線はエリオルに向けられている。



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