誠-巡る時、幕末の鐘-
「響は? 響はどうするの?」
「え、あ、私ですか? 私は父と一緒に住みます。…あ、でもここの女中の仕事は続けさせてください!!」
響が近藤さんに頭を下げた。
「あぁ、全く構わないぞ? むしろよろしく頼む」
そう言う近藤を見て、響は安心したように笑顔になった。
「爺もいいか?」
「異存ありません。本来ならばあなたも一緒に「はい、決定〜っ!!」
奏は爺が言おうとしたことを遮った。
「あ〜。ここ数日、濃ゆ過ぎて…疲れた。丁度良い頃合いになってきたな。私は夜桜見物に行ってくる」
「あ、おい!!」
奏は気に入りの羽織りを羽織って一人、屯所から出ていった。