誠-巡る時、幕末の鐘-
「さぁさぁ、飲み直しましょう!! 今日この辺り、人来ないから」
「何でだ?」
「さっき、結界張ったでしょう? あれ、人も中に入れないように出来るんです」
奏の言葉に感心する一同。
(よく考えたらこれ、逃げる時に使えるな)
奏がそんなことを考えているとさすが似た者同士、沖田が提案してきた。
「ねぇねぇ、奏ちゃん。僕も助けてね?」
(こ、こいつ!! 考え読みやがった!!)
「読んでないよ? 奏ちゃん、分かりやすいから」
「奏…声に出してたぞ。最初から」
(………はい?)
「気付かなかったのか? 俺達に会った時から駄々漏れだったぜ?」
「あぁ。結構堪(コタ)えるのもあったよなぁ」
みんなに口々に言われ、思い出す自分の心の声。
苦笑いしかでない…。