誠-巡る時、幕末の鐘-



「それに私、近藤さん大好きだから、ここをしばらく離れるつもりはないしね」


『…っ!!!!』




奏の発言に全員が目を見開き、唖然とした。




「だって、優しくて器が大きくて…おじ様みたいな人じゃない!?」


『お、おじ様ぁーっ!!?』




みんなが安堵なのか呆れなのか分からない声を出した。


爺だけは…




「叔父は私だけなのに…」




と、大きなショックを受けていた。




「ったく!! 紛らわしいこと言いやがって!!」


「だね。思わず焦っちゃった」




(な〜にを言っているんだ? こいつらは)




他人が聞けば際どい発言をした奏自身はいつものごとく気付いていない。


どんだけ鈍いんだ。




「あ!! 私、明日源さんの巡察についていくんだった!! 先に戻りますね〜!! 爺、響、お休み!!」


「お休みなさいませ」


「お休みなさい」




自分達の家に帰る二人に挨拶をすませ、足早に走って行った。



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