誠-巡る時、幕末の鐘-
「おめぇ、昨日の夜どこへ行った?」
ピクッ
「…ジュンサツトシゴトニ」
「おとといは?」
「…ジュンサツトシゴトニ」
「じゃあその前は?」
「……爺の所にお泊まり」
「ほぅ…その前は?」
「……オボエテマセン」
明らかに目がグルグルと泳いでいる奏に、土方は口端を上げた。
「覚えてない。ほぉう、そうか。なら仕方ないな。…あぁそうそう。お前達、今、京で噂されている話を知ってるか?」
「あぁ、子供達も言ってましたよ。なんでも真夜中に女の霊がでるとか」
「私も聞いたことがあります」
ここで一人、固まった。
……奏だ。