誠-巡る時、幕末の鐘-
視線って突き刺さるものなのね
―――翌日、市中
「昨日また出たってよ」
「出たって…今、噂になってるヤツか?」
「あぁ。だが今回は女が相手に対して容赦がなかったらしい」
「ってぇと?」
「狂ったように何回も刺してたんやて」
「おっかねぇなぁ。くわばらくわばら」
(私には両隣にいらっしゃる方々の方が怖いです!!)
ジーッ
「…何ですか? 土方さん。さっきから」
今、市中の巡察に沖田と珍しく土方と一緒に行っている。
(人々の噂話が聞こえる度にこっちを見るのはやめて!!)
「い〜や? 何でもねぇよ」
(あるだろ!!
大体あんたがここにいる時点でおかしいんだよ!!)