誠-巡る時、幕末の鐘-
「そういえば、昨日珍しく夕食の時間になっても戻ってこなかったね。どうしたの?」
(珍しくって…人を食欲の塊みたいに!!
……人じゃないけども!!!)
「爺の所へ行ってたんですよ」
「他には?」
「他って…別に?」
ジーッ
「だから一体何なんですか!!?」
ジーッ
(何とか言えーっ!!!)
この後、奏は刺さるような両側からの視線に耐え、屯所へ帰り着いた。
今までで一番きつい時間だった。
少なくとも壬生浪士組にいる間では。