誠-巡る時、幕末の鐘-
奏がそう言うと、永倉が手をブンブンと振った。
「違うぞ! 俺は!」
(…あんたが一番怪しいんだ)
「まぁ、私には関係ないんし。…この子を送って行かなきゃいけないんでサヨウナラ」
「僕も一緒に行ってあげようか?」
「いいえ、結構です」
(あんたと一緒だったら、時間が倍かかる。
何より帰りに二人になるような危険、誰が自らおかそうか!)
「お姉ちゃん、この人達は?」
「あぁ、ただの変『嘘を教えるな! 嘘を!』
(嘘? 嘘を言って毎度私の後をつけてくるのは、誰だ?
てめぇらだろうがぁ!!!)