誠-巡る時、幕末の鐘-



「ですね。やっぱり子供って素直でいいでしょう?」


「まぁな」




珍しく……本当に珍しく土方と沖田の意見が一致した。




「なぁ、誰が一番格好いいと思う?」


「えっと……お姉ちゃん!」


『……』




一瞬考え込んだ栄太は、奏だと言い、みんなは無言。


奏はニコニコだった。




「ふむ。栄太はいい男になるよ」


「本当に!? やったぁ!」




(かっこいい……か……。

フフフ……いい……その響き)




奏はその言葉にしばし酔いしれていた。




「……奏が一番格好いい……」


「男の俺達って……」


「奏に負けた……」


「刀でも格好よさでも勝てないって……どうよ?」


「精進、だな」


「奏ちゃん、顔がニヤけてるよ?」




フッ


(ひが)みか……。哀れな……(笑))




奏は土方達の言葉に腕組みをしながら、ウンウン頷いている。



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