誠-巡る時、幕末の鐘-
『ひ〜っ!』
最初の班が早々に屯所から追い出された。
残った隊士達は、言いたくても言えないものを目で訴えていた。
それはもう……必死に。
「あ、もちろん土方さん達にもしてもらいますから」
何をどう誤解したのか、分からないフリをしているのか……
奏は隊士達が欲しかった言葉とは違う言葉を返した。
「しかし……」
「安心してください、近藤さん。道には爺が影でついててくれるそうですから」
いつ爺に取り付けたか分からないものを、奏が胸を張って言うので、もうみんな諦めた。