誠-巡る時、幕末の鐘-
元老院からやってきた少年
―――奏の部屋
「フゥ。何とか間に合ったか」
奏はまだ自分の部屋に誰も来ていないのを確認し、安堵の溜め息をついた。
「いっそ私の部屋の前にも結界張っとくか? …幹部の中にも私の安眠を妨害する方が結構おられるようだし?」
肝試し大会が終わったにも関わらず、奏の部屋には幹部が揃っていた。
「安眠妨害って…奏ちゃんの眠りが浅いだけだよ」
(あ〜さ〜い〜だ〜?)
奏は沖田の発言が気に食わなかった。
「私の眠りが浅い?! 嘘つけ!!」
(ほとんどあんただ!! 原因は!!)
「あなたと土方さんが朝っぱらから猛烈な鬼ごっこをしたり!!」
「鬼ごっこなんかしてねぇ!!」
土方が聞き捨てならぬと叫んだ。
(してるだろうが!!
ありゃあ、傍から見てたら立派な鬼ごっこだよ!!
いい加減隠し場所変えたらどうですか?
豊玉発句集の作者、豊玉さんよぉ〜!!)