誠-巡る時、幕末の鐘-
「ありがとうございます」
十夜は微笑み返した後、やんわりと離した。
「それに三課は戦闘部隊。そこの副官だけあって強さは指折り」
(ミエ様とエリオルもそこだしね?)
「ねぇ、一回手合わせしない? 体が鈍(ナマ)ってるみたいだから」
「いいですよ? 僕の分の木刀ありますか?」
「あるある! 道場行こう!!」
(やった〜っ!!!
こんなことミエ様には頼めないから、どうしようかって思ってたのよね〜)
「その前に結界を張っておかないと。…よし、では行きましょう」
十夜は奏の部屋に集められている妖が逃げないように、完璧な結界を張った。
いい仕事をしている。