誠-巡る時、幕末の鐘-



突然、桜の花吹雪が強くなった。


やんだと思ったらそこにいたのは奏にとって見慣れた面子だった。




「……風戸家現当主、風戸紫翠。その側近、鈴か」


「何か不穏ことがあれば知らせるように鷹に言っておいたけど正解だったね」


「なぁ。あいつらとやっていいのかい?」


「鷹だって結構優秀なのよ? エリオル」


「フンッ。優秀ねぇ」




元老院三大魔王、ミエ、エリオルだった。




「うちの奏に一体どんな御用かしら? 奏は大切な家族なんだけど」




ミエはにこやかに言った後……




「大切な家族が連れ去られそうになっているっていうのはいただけない」




凄まじい殺気を出した。




『くっ! 何だこれは!?』



いきなりのことに土方達はもちろん、元老院三大魔王ですら、膝を折ろうとしていた。


無事ですんでいるのは、ケロリとしている第三課長だけである。


さすが戦闘部隊の長だ。



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