誠-巡る時、幕末の鐘-
三大魔王降臨
――屯所
「……こ、こは屯所?」
「奏! 気付いたのね!?」
側にはミエと響が座っていた。
「ミエ様、私は……」
「急に倒れたの」
奏は自分の記憶を手繰り寄せた。
「面白いものが見れたわ。私より慌ててた人をね」
「え?」
ミエの言葉に何のことだろうと響を見たが、ニコニコ笑っているだけだった。
「さぁ、大丈夫なようなら広間へ行くわよ。大丈夫な姿を見せないと」
「はい」
ミエが差し伸べた手を取り、起き上がった。
「奏。これを羽織っていてください」
「分かった」
響が羽織りを出してきて奏に着せた。