誠-巡る時、幕末の鐘-
「さすが精鋭部隊第一隊長」
パチパチと爺が手を叩きながらミエを褒めた。
「私もやりたい!」
「駄目。君、許可証ないでしょ」
「そうだ。院則を破る気か、阿呆が」
「誰が阿呆だってぇ?」
こっちはこっちで収拾がつかなくなってきている。
「ミエ様……勧誘は……篁……様がお怒りになりますよ?」
奏はこの場にいない冥官の名を出した。
死者の元老院への転送は可能だ。
死者であるので、人外の者として扱われるからだ。
しかし、それには色々と手続きがあり……。
「あの天上天下唯我独尊傍若無人男がそんなの許す訳ないでしょう……面倒だと一蹴されるに決まってます」
「エ、エリオル? 何で怒ってるの?」
「さぁ? 何でだろうね」
「レ、レオン? 何であなたが答えるの?」
ミエは最恐の二人に板挟みにされた。