誠-巡る時、幕末の鐘-
「さぁ。邪魔はいなくなったことですし、ゆっくり訳を聞きましょうか。訳をね?」
「斎藤一君の手を離さなかった件とさっきの鷹の分もね」
「あ、あは、あははは」
にっちもさっちもいかなくなり途方にくれたような目をしだした。
「お前達ーっ! 何をやっとるかーっ!」
その言葉に元老院に所属する者は、動きをとめた。
「さっさと戻ってこんかーっ! セレイル! レオン! お前達がついていながら何をしておる!」
『すみません』
「奏君、この声は?」
近藤がいきなり響いた怒声と、ミエ達の変わり様に驚いたように言った。
「この声の主は元老院長のものです。いつもはお優しいのですが」
奏も困惑していた。
まぁ、怒られるのも無理はないだろう。
こうして、元老院の課の長が三人もこちらに来ているのだから。