誠-巡る時、幕末の鐘-



「外野うるさい。…さて。お前達の名をさっさと言え」


「貴様!!命令する気か!!」




は?


私が?


あんたに?


命令?




「…っ!!」


「な、何を!!」




奏を侮辱する言葉ととり、爺が腰の刀を抜いた。


勢いを殺さないまま、男の首元を狙っていた。


しかし、奏の刀がそれを阻んだ。




「よせ、爺。そんなにすぐにやってはつまらん。私は楽しみは後にとっておく派だからな」




私がお前みたいな奴を部下にする訳ねぇだろうが。


私の元老院での部下は優秀だ。


お前なぞ足元どころか、地球の真裏まで掘り進めても及ばんわ。




「…分かりました」




初めは納得できない顔だったが、奏に楽しみと言われては退くしかなかった。


しかも奏の心の中はもう…暴言で溢れていた。



< 265 / 972 >

この作品をシェア

pagetop