誠-巡る時、幕末の鐘-
「外野うるさい。…さて。お前達の名をさっさと言え」
「貴様!!命令する気か!!」
は?
私が?
あんたに?
命令?
「…っ!!」
「な、何を!!」
奏を侮辱する言葉ととり、爺が腰の刀を抜いた。
勢いを殺さないまま、男の首元を狙っていた。
しかし、奏の刀がそれを阻んだ。
「よせ、爺。そんなにすぐにやってはつまらん。私は楽しみは後にとっておく派だからな」
私がお前みたいな奴を部下にする訳ねぇだろうが。
私の元老院での部下は優秀だ。
お前なぞ足元どころか、地球の真裏まで掘り進めても及ばんわ。
「…分かりました」
初めは納得できない顔だったが、奏に楽しみと言われては退くしかなかった。
しかも奏の心の中はもう…暴言で溢れていた。