誠-巡る時、幕末の鐘-



「貴様!!侮辱するのもいい加減「お前達の罪状」




奏は男に最後まで喋らせなかった。


代わりに判決を言い渡すがごとく…いや、まさしく判決を言うべく口を開いた。




「ざ、罪状?何を…」


「お前達は口を挟むなよ?」


『了解!!』




奏は真冬のように凍えんばかりの視線を、男に向けた。


心なしか奏が来る前と温度が違う。


変わるはずがない、春の陽気。


これから暑くなるので、温度が上がるというならば話は分かる。


だが、紛れもなく着実に温度は下がっている訳で。


奏の怒りようが分かってしまうだけに…恐ろしい。



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