誠-巡る時、幕末の鐘-
「その一。近藤局長に対し、度重なる無礼。いかなる場合も礼を重んじるのが武士。それに背くは武士にあらず」
奏は言い含めるようにゆっくりと言った。
「その二。俺「私」
爺が間髪を入れずに奏の癖を直した。
「私とついでに土方さん達の時間を無駄に使用」
奏はすぐに言葉を正し、言葉を続けた。
「上司に媚びへつらって上にのしあがって行こうとしているお前達と違って、こっちは実務をこなしている。その時間をお前達のために使うなぞ…時間の浪費以外の何物でもない」
辛辣な言葉も道理に聞こえてしまうのは奏だからこそなせる技か。