誠-巡る時、幕末の鐘-
正体見破ったり
奏は足元で気絶している二人の男を避けながら、残りの二人に対峙(タイジ)した。
「おい。その四、その五」
『……』
「一気に短くなったんじゃね?もはや番号じゃん」
藤堂の的を射た考えも、奏にしてみれば些細なことらしい。
「平助?」
「すいません」
逆に今見せられても恐怖でしかない笑顔を浮かべられてしまった。
「あんた達二人は私がここへ来てから喋るどころか動いてすらない。…で俺は「私」
「私は考えた。普通、上司が屈辱を受けているならば助けるだろうと。なのにそれをしない。何故か。…それはな?」
奏は髪をかきあげ、人差し指を立てた。
「分かった!!こいつが嫌いなんだ、こいつら!!」
奏が言おうとしているのを藤堂が遮り、自信満々に答えた。
さもそれが当たりで間違いないというように胸を張っている。
奏に恐怖の笑顔を見せられたにも関わらず、即復活できるのは、若さゆえだろう。