誠-巡る時、幕末の鐘-
使えるものは何でも使う
紫翠達が帰ったのを確認した後、こちらに振り返った奏は無表情だった。
「…あ、忘れてた。お前のがまだだったな」
(忘れてたのは存在をだろ!!っていうかあんまり経ってないだろうが!!)
「安心しろ。お前の部下二人は気絶している。お前の醜態をさらさずにすむぞ」
足を切られた方もいつの間にか気絶していた。
口から何か泡のようなものが出ている気がするが、みんなは全力で無視をした。
「…さて。お遊びもやめよう。…飽きた」
『…お遊び…飽きた…』
今までのは奏にとっては、お遊びに過ぎないらしい。
子供が新しい玩具にすぐ飽きるのと似たような言い方だが、全く中身が違う。
「な、何をする気だ!!」
唯一残った、名無しのごんべぇその一も、尻餅をつき、後退りを始めた。