誠-巡る時、幕末の鐘-



「お茶葉のついでに…も買ってきて」




みんなには聞こえないように、ヒソヒソと耳元で話した。




「?分かりました。でも、どうするんです?」


「いいからいいから。えっとじゃあ…行ってくれる人!!」




そんなもの何に使うのか、と不思議そうにしている響の肩をポンポンと叩き、みんなの方を向いた。




『はい!!』




永倉、原田、藤堂は勢いよく手をあげ、沖田以外ももう面倒はご免とばかりにソロソロと手をあげた。


沖田は何が何でもこの男達をどうにかしたいらしい。


手を組んだままだった。




「フフフ。みなさん元気だな。分かった。じゃあみんなで『行ってくるぜ!!』




響の肩を持ち、屯所を出ていこうとする。


……………が。




ガシッ




奏が響の肩に手を回していた永倉、原田の肩を逆に掴んだ。



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