誠-巡る時、幕末の鐘-
「……そうそう。あの二人はいつ頃からお前達と共にいた?」
「…出発した時には三人だった…はず」
おぼろげなようで、あまりはっきりとしない。
嘘をついている訳ではないということは、男達の顔を見れば分かった。
それに嘘をついた所で、紫翠達に得はあってもこの男達にはない。
「意識操作をされたか。まぁいい…あと近藤さんに土下座で謝れ」
『……』
それは旗本として許せないのだろう。
だがこちらは知ったこっちゃない。
相手の事情は所詮相手の事情であって、こちらとは一切何の関係もない。
振り回されたのはこちらの方だ。
しかるべき謝辞があってもいいはずだ。