誠-巡る時、幕末の鐘-



「ねぇ、かなで?ぼくたち、ずうっといっしょだよね?」


「うん!!ずうっといっしょよ!!」


『だってぼく(わたし)たち、ふたごのはんしんだもの!!』




二人は顔を見合せ、声を揃えて言った。


その時……




「珠樹、奏。ここにいたの?」




屋敷の方から、双子の名前を呼びながらこちらへ歩いてくる者がいた。




『あ!!かなたあにうえ(にいさま)だ!!!』


「ほら。父上も母上も心配してるから帰るよ」




細身にも関わらず、駆け寄ってきた双子を軽々と抱き上げ、彼方は屋敷へ戻っていった。



< 349 / 972 >

この作品をシェア

pagetop