誠-巡る時、幕末の鐘-
「ねぇ、かなで?ぼくたち、ずうっといっしょだよね?」
「うん!!ずうっといっしょよ!!」
『だってぼく(わたし)たち、ふたごのはんしんだもの!!』
二人は顔を見合せ、声を揃えて言った。
その時……
「珠樹、奏。ここにいたの?」
屋敷の方から、双子の名前を呼びながらこちらへ歩いてくる者がいた。
『あ!!かなたあにうえ(にいさま)だ!!!』
「ほら。父上も母上も心配してるから帰るよ」
細身にも関わらず、駆け寄ってきた双子を軽々と抱き上げ、彼方は屋敷へ戻っていった。