誠-巡る時、幕末の鐘-



「蓮樹(レンジュ)。君まで迷子になったら、もっと大変なことになる。屋敷の中にいなさい」




当主が奥方を抱き寄せた。




『かってにいってごめんなさい〜』




双子は兄の袖を掴み、背の左右から顔を覗かせた。 



「もう母様に心配かけたら駄目だぞ?」


『はい〜』




当主…龍雅(リュウガ)は双子の頭をポンポンと叩きながら言った。


二人は安心したのかそれぞれ両親の元へ飛び付いた。



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