誠-巡る時、幕末の鐘-
「ねぇ、たまき。ひまだね〜」
「ぼく、まだおわらないかきいてくるね」
「わたしもいく!!」
「かなではまってて。すぐかえってくるから」
「はやくね?」
そう言い、珠樹は会談があっている部屋まで走っていった。
……自分の運命を聞いてしまうとも知らずに。
「まだかな〜?まだかな〜?」
部屋では奏が一人、家族の絵を書いていた。
これからも続くはずだった幸せな毎日を。
そして信じて疑わない双子の半身の存在を。